今日は、神が天にのぼる日!
今日、旧暦の
12月24日は御願解き(ウガンブトゥチ)とよばれ、
火の神が昇天し、その家の一年間の出来事を天の神に報告する日といわれている・・・
昨年、出版した
照屋の著書『記憶を刻む家づくり』に
「ヒヌカンは必要か?」のタイトルで、掲載されている。手元に著書がある方は、読んで下さい。
手元に無い方は、下記に文面を張り付けておきますので、ご一読下さいね。
・・・あとで本屋で、ゲットしてね~!
オモシロ・オキナワ暮らし文化満載!(笑)
タイトル:ヒヌカンは必要か?
念願のマイホーム新築を期に、火の神(ヒヌカン)を仕立てるかどうかを思案している若い夫婦がいた。すでに家を建てた友人からは「次男だから無くてもかまわないのでは」と言われたり、「一家の主(あるじ)になったからは、仕立てるべきだ」という両親の意見もあって、思案していた。
沖縄では、旧暦の十二月二十四日は御願解き(ウガンブトゥチ)とよばれ、火の神が昇天し、その家の一年間の出来事を天の神に報告する日といわれている。屋敷願いをし、ヒヌカン周辺の「すす」を払って屋敷を清め、一年間の感謝をして、天の神に「いいことだけを報告してください、来る年も一家にとって良い年でありますように」と祈りを捧(ささ)げるとされている。すすは、その年の悪事を書きつづったメモらしい、すす払いは、証拠隠滅だという説話もあるから、面白い。
ところで、昨今、家庭のキッチンの主流になってきたIHクッキングヒーター。「火のないところに煙は立たぬ」という格言があるが、IHクッキングヒーターは煙が立たないから、子どもにすすの説明をするのも窮してしまう。
そのすすの元となる煙だが「ちんぬくじゅうしい」とう沖縄のわらべうたがある。
アンマー たむのをー きぶとんど きぶしぬ きぶさぬ 涙(なだ)ソーソー ・・・と続く。
さて、その「きぶし」の「きぶ」とは煙のことである。筆者の郷里の大先輩・宮城信勇氏の著書「石垣方言辞典」によれば、家・所帯を数える単位の「戸」や「軒」は「キブリュ」とある。またその「キブリュ」は「煙」の意味、また「暮らし」や「生計」にも使うと記されている。
遠い昔、八重山の人々は、かまどから立ち上る煙を見て、一戸(ピトゥキブリュ)、二戸(フタキブリュ)と家を数えたのだろう。まさに煙=所帯であるあることが実感できる。
先ほどの新築の折に悩んでいた若夫妻だが、次男だから三男だからヒヌカンは不要、長男だけがヒヌカンもつべきだという考え方はどうだろうか。
狭小な土地に親子二世帯の言えが増えてきた今日、同じ屋根の下に暮らす親子であろうと、兄弟であろうと所帯が異なれば、ヒヌカンは仕立てる必要があることを先人の言葉や教えに秘められている気がする。
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