2010年01月23日

少年よ・大志を抱け・・!

少年よ・大志を抱け・・!
 昨日のタイムス住宅新聞に・・
遊悠人の連載・エッセイが掲載されている!

今回は、遊悠人の中学生の頃の思い出、建築を志すきっかけにもなった建築のことを書いてみた。

ご一読ください~!






          大志を抱かせた建築
                           写真・文/照屋寛公
 年の瀬の新聞紙面で久茂地公民館存廃の記事が目に飛び込んだ。この建築は筆者の中学生の頃の思い出深い建築、また今の自分の職業への道に影響を与えてくれた建築でもある。筆者の育った石垣島の中学校では、当時の修学旅行先が沖縄本島であった。北部ヤンバルから南部の戦跡や議会議場の公共施設、新聞社本社を大型バスで移動しながら見学したことを覚えている。
 その宿泊場所が現在の久茂地公民館、当時は沖縄少年会館と呼ばれていた。一階ロビーは天井の高い吹き抜けになっていて、たしか赤いベルベットのソファが並べられ、大型のテレビが設置されていた。中学生の少年少女はその大型画面を食い入るように見ていた。上階の何層かは宿泊フロアになっていて、その昇降は当時珍しいエレベータであった。子供達は、われ先に幾度も乗って遊んだ。
 興味深かったのが階段である、先ほどのエレベータの周りを取り囲むようにらせん状になっていて、回転しながらステップを踏みしめて昇降する。不思議な階段は子供にはとても刺激的で感激したことを記憶している。ドーム型のプラネタリウムが最上階にあった、背の傾斜する椅子に腰かけ、映し出される美しい満天の星空や解説に耳を傾けていると、宇宙や天文への好奇心がひろがった。
 その建築の中でも特に印象深いのが、エントランス右のコンクリート製のオブジェである。まるで天を突き刺すように強く高くそびえるその形に感激したことを記憶している。
 それから二十数年して、このオブジェの意味を知ることになった。東京で学生・就職時代を過ごし沖縄に戻ってきて間もまく、この建築の設計を担当した氏に出会った。オブジェは札幌農学校初代教頭クラーク博士の言葉、Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)をコンセプトに設計したということを耳にして一層感激した。当時の設計者の想いや教育関係者の沖縄の子供達への教育の情熱を聞かせて頂いた。
 今、この建築が老朽化や維持管費用を理由に存亡に危機にあるようだ。先人の想いの詰まった文化は一度失って金で買い戻せるものではない。沖縄からまたひとつ文化施設が消えないためにもこの建築の存続を願ってやまない。
                (建築アトリエ・トレッペン代表・建築家)


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